Game Design Summary
Echelon のゲーム仕様の決定事項を1ページに整理。層攻略・開催運用・職業・生産経済・装備・独自性の3柱。
散らばっていた要件定義から、すでに決定している仕様を1ページに整理したものです。「なぜそうするのか」という設計意図もあわせて記載します。数値や細部で「検討中」とあるものは、今後のプレイテストで決めていきます。
1. ゲームの全体像
Echelon は、6人パーティーで塔の層を順番に攻略する階層攻略型 MMO です。1回のプレイの流れは次のようになります。
開催時間にログイン
→ ロビーで職業変更・称号設定・装備準備
→ 6人パーティーでダンジョンを進行
→ 雑魚敵・ミニボスから素材や装備を得る
→ 生産またはマーケットでエンドゲーム装備を整える
→ 層ボスに挑戦し、撃破する
→ 次の層へ(初期リリースでは「To be continued...」演出)
初期リリース(ベータ)は第1層のみ
- 第1層(草原・Lv1-15)だけで、募集・探索・生産・取引・装備準備・層ボス攻略という一連の体験を完成させます。
- 層ボスは「双黒の騎士」(2体同時ボス)。撃破すると次層への期待を残す演出でロビーへ戻ります。
- 周回用に、第1層で最強のレアドロップを用意します(将来の第2層装備よりはわずかに弱い水準)。
2. 開催運用(限定開催)
| 項目 | 決定事項 |
|---|---|
| 開催期間 | 1回につき 1週間 を予定 |
| 開催時間 | 毎日 18:00〜翌2:00(日本時間)を予定。時間外はサーバー停止 |
| 引き継ぎ | セーブデータ(戦闘職レベル・所持品・装備・通貨・称号・層進行)は次回開催へ引き継ぐ |
| 終了時の安全停止 | 終了60分前から新規入場停止。未受取の報酬・マーケット出品はデータ損失なく保全 |
設計意図: 同じ時間帯にプレイヤーを集めることで、パーティー募集・協力・取引が自然に成立します。開催時間外は Discord での考察・募集を想定しています。
セルフワイプ
マゾ向けに、自分のセーブデータを任意で削除して再挑戦できるセルフワイプ機能を用意します。誤操作を防ぐ二重確認と実行制限(7日に1回を検討中)を設け、実行者には限定称号などの名誉を検討しています。
3. 協力攻略とソロ裏ボス
通常層は6人攻略が前提
- 難易度は6人パーティー基準で調整します。人数に応じた難易度変動は行いません。
- 編成は自由ですが、推奨はタンク1・ヒーラー2・DPS3。
- エンドゲーム装備なしで層ボスに挑むことは可能ですが、ほぼ攻略不可能な難度に設定します。
- ソロでの通常層攻略は想定しません(ほぼ無理ゲーになります)。
ソロ専用の裏ボス
ソロプレイを好む腕自慢のために、層進行に影響しない超高難度の裏ボスを用意します。
- ランダム生成ダンジョン内で低確率に出現。撃破しても次層へは進めません。
- 報酬は名誉です: 専用称号、初回撃破の全サーバー告知、ランキング、外観に優れた装備(性能は通常エンドゲーム同水準で、経済を壊しません)。
4. 職業と成長
戦闘職5職
| 職業 | ロール | 設計思想 |
|---|---|---|
| Warrior | タンク / サブアタッカー | 「攻撃を受けることで価値が出る」。ヘイト管理・挑発 |
| Healer | ヒール / サポート | 「いると快適さが変わる」。ヒールヘイト管理 |
| Mage | 範囲・ユーティリティ | 「詠唱=リスク、決まれば気持ちいい」。被弾で詠唱キャンセル |
| Rogue | 近接デバッファー | 「状況で強い、プレイヤースキルが出る」。Bleed スタック |
| Archer | 単体遠距離 | 「距離管理がすべて」。リロード機構+距離ダメージ倍率 |
- あえて5職に絞るのは、各職のダメージ出力を運営が正確に把握し、「全員が80〜90%の仕事をすれば攻略できる」バランスを実現するためです(FFXIV など大手 MMO でも採用されている設計思想です)。
- 各職のレベルは独立します(Warrior を育てても Mage は Lv1 から)。低レベル装備の市場需要を守る狙いがあります。
- 職業変更はロビーの NPC で行い、高額な費用を設定します(クールダウンなし)。
スキルツリーと二次職
- ビルドはスキルツリーで構築します。「何かを得るために何かを手放す」トレードオフを軸に設計します。
- Path of Exile 風の二次職(例: Warrior →「自己完結サブタンク」/「守護特化メインタンク」)は構想にありますが、ベータでは実装しません(第1層のレベル上限では到達しない前提)。
レベルキャップ
- 各層にレベル上限を設けます(ベータの第1層は Lv15。最大レベルは 99 を想定)。
- 上限を超えるステータス差での攻略(いわゆるレベルを上げて物理で殴る)を防ぎ、装備・ビルド・プレイスキルを問う設計です。
死亡ペナルティ
装備を永遠に失う「永久ロスト」は廃止しました。全層統一で: 全装備の耐久度減少(修理で復元)+所持金の約3%消費+ロビー帰還。パーティープレイ中はダウン→蘇生の仕組みがあり、蘇生が成立する限り正式死亡になりません。
5. 生産・装備・経済
生産職5職
生産職(鍛冶 / 木工 / 甲冑 / 裁縫 / 彫金)はベータに含めます。層攻略よりも交流・取引を楽しみたいプレイヤー向けの役割です。
- 雑魚敵・ミニボスが生産素材をドロップします。
- 第1層のエンドゲーム装備は生産で作ります。 集めるには他プレイヤーとの交流かマーケット取引が必要です。
- つまり生産・取引は「任意の寄り道」ではなく、6人攻略を支える MMO らしい協力の一部です。
装備の鑑定と weight
- 装備には鑑定値(ID)システムを導入します。鑑定時に、装備ごとに定義された範囲から性能がランダム抽選されます。
- 同じ装備でもロール次第で価値が変わり、レア掘りと市場のランダム性が生まれます。
- 再鑑定も可能ですが、料金は回数に応じて急上昇します(通貨の消費先)。
- Wynncraft の Wynntils にある weight(ビルドごとのロール品質評価)の考え方を参考に、良し悪しを判断しやすくします。
装備ティアとマーケット
- 装備ティアは Common / Uncommon / Rare / Epic / Legendary / Mythic の6段階(Mythic は虹色ツールチップ)。
- マーケットは Wynncraft の Trade Market に近い形式。出品期限は市場稼働時間で合計24時間、売却手数料は5%。開催時間外は出品状態を保全したまま停止します。
6. 独自性の3柱
普通の MMO がプレイヤーを繋ぎ止める手段(無限の縦成長・デイリー・ソロ利便性)を Echelon は使いません。その代わりに:
| # | 柱 | 内容 |
|---|---|---|
| ① | 塔の変動アフィックス | ダンジョン突入ごとにランダムな修飾子(mob 強化・ハザード等)が付き、毎回違う体験になる。リロール不可。第1層は初心者保護のためアフィックスなし |
| ② | グレード+初クリア争奪 | クリア時間・死亡数などから S/A/B/C の評点を算出。「サーバー初の第X層攻略」はパーティー名と日時が永久に殿堂入り。有限の企画だからこそ「初回」が一度だけ存在する |
| ③ | 3客層オンボーディング勾配 | 同じボスを、初心者は装備+ガイドで、MMO 経験者はロール遂行で、上級者はアフィックスの読みとグレード狙いで、それぞれの深さで楽しめる設計 |
グレードや称号は見た目の名誉のみで、性能報酬はゲートしません(グラインド圧を作らないため)。
See Also
- Project Overview — プロジェクトの経緯
- Roadmap & Status — これらの仕様がいつ形になるか
- Level Design — 第1層マップ設計の理論ガイド
- Story Design — シナリオ設計の理論ガイド